長野篠ノ井のカフェの雑木の庭～斜面の土中環境を改善

長野のカフェのお庭（雑木の庭）の環境整備をご依頼いただきました。

長野県長野市篠ノ井の山中に位置するおしゃれなカフェ、ロンディネッラ様の環境全体のアドバイスや雑木の庭の造園を担当させていただいております。
篠ノ井にある稲荷山の斜面に位置し、千曲市方面を望む絶景と自然の中で過ごす贅沢な時間を楽しめる空間です。建物とアプローチが山の中腹、尾根部にあるため、安全性や景観、自然環境を考え、できる限り天然素材を使用した環境整備を行っています。
また、土中環境の改善の必要性を施主様よりご指示頂く中で、環境全体の方向性や景観づくりをお手伝いしております。
施主様と協力しながら、土中環境改善及び美しい景観づくりに力を入れ、自然と調和した美しい景色を実現しました。

雑木のお庭というよりも山の土中環境をまるごと改善しています。

立地の地形を読み、土壌の浸透性や通気性を向上させる工夫が施されました。
これにより、生物の多様性が実現し、庭全体が緑に包まれる美しい景観を創り出しています。
写真からも分かるように、山の中に位置するという特性を活かし、自然の風景を最大限に活用し自然に雑木の庭を含んだ景観となっています。
ロンディネッラ様のアプローチ及びショップ内からは、山々の美しい景色が一望でき、訪れる人々は長野市篠ノ井の自然を堪能している様子がうかがえます。
山の崖部分（斜面部分）をまるごと土中改善することで、雨水の浸透や湧き水など水の流れを促進させ、美しい景観を保ちながらもより安全で生物の多様性を兼ね備えた環境の構築を計画しております。
計画途中の部分もあり、将来的には斜面部分に樹木を植え、自然な状態で土砂崩れを抑制し、豊かな植物たちが栄える環境を整えています。

庭石はお庭の造成で重要な要素で、長野産にこだわります。

もともと設置してあったアプローチの石を再利用しています。
土地に馴染んだアプローチは、そのままでは転倒の危険性と景観的な改善が必要でしたので、武骨で存在感のある石で新たな石づくりのアプローチとして再生しました。
雑木の庭と相性の良いこのような石づくりのアプローチは小森造園の得意分野です。豪快で力強い印象のこのアプローチは、カフェへの入り口を引き立て、訪れる人々に深い印象を残します。
石の風合いと、山の自然が作った彫刻のような形状が、カフェへといざなう魅力を高めています。

長野産の丈夫な土台石を使用した雑木の展望台。

入口の雑木の庭を抜けると、千曲市方面の市街地を一望できます。ここに安全な展望スペースを設けました。
訪れる人々はここから遠く八ヶ岳連峰を望む美しい景色を心ゆくまで眺めることができます。
訪れたお客様が展望しやすいように周囲の樹木を適切な高さに整えることで、より広々とした景色を見渡すことができ、市街地の美しい風景を満喫できます。
さらに、展望スペースの足元は安全性を考慮し、土蔵の土台石を再利用したもので作成しています。地盤の安定性を確保するために、堅牢な石材が選ばれ、安全性が最優先されています。訪れる人々が心地よく展望を楽しむことができるように、安心感と快適性を追求しました。

お庭の整備をしながら、根本的な土中環境の改善をアドバイスをしています。

入り口付近の崖（斜面）の手入れを定期的に行い、安全かつ自然と調和した景観づくりに取り組んでいます。
将来的には植えた木が成長し、人の手が入らずとも循環していく環境にしていきます。
そのためにも、適切なところで段切りを行い、焼いた杭と竹でマウンド（植樹する基盤）を作っていきます。
庭だけでなく環境全体に言えることですが、雨水が浸透しやすく、地形の形態が保持される工夫を意識しています。
雨水を地中に浸透しやすくすることで、土砂の流出を防ぎ、かつ微生物等が住みやすい環境になり、樹々の根が張りやすい土壌が作られます。すると、木の根がさらに斜面の強度を補強して土砂崩れ等を抑制します。同時に山全体が美しく整えられ、斜面の景観が保たれていきます。
構築物を作る際にはできる限り自然素材を使い、土に負担を与えない工夫が必要です。
自然素材の利用は、環境に配慮した設計の一環であり、庭の自然な雰囲気を重視しています。
この工夫により、自然の恵みを最大限に活用し、庭（環境）を美しく保つことが可能となっています。