2022.01.17
かみじょうリハビリ整形外科クリニック様の造園工事(後編)
前回(全編)に引き続きかみじょうクリニック様の造園工事です。
前回はクリニックの入り口横の植栽帯まで書きました。
今回はクリニック北側の植栽帯からお話しします。
クリニック北側は東から西に向かって上り坂があり、植栽帯の中を平にしたかったため土留を設置する必要がありました。
上の図のように道路から50cm程度内側に石の土留めを設置しました。
段差は最も高くなるところで70cm以上になります。
道路と土留めの間には防草シートを敷き、その上にバラスト(洗った砕石)を敷くことで雑草が生えないようにしました。今後の管理のしやすさも大切です。
植栽にはヤマモミジ、ダンコウバイ、アオダモ、ソヨゴなどを使用しました。
いずれも山採りの樹木です。
ダンコウバイは早春に小さく黄色の花を咲かせる木です。
ヤマモミジは株立ちで、紅葉も美しく今回の主役といったところですね。
いずれもひょろっと細長く、里山の雑木林を彷彿させる雰囲気を出してくれます。
玄関前のコンクリート立ち上がりの足元には割栗石を敷きました。
石の荒々しさが涸沢カールのガレ場のような感じです。
私自身気に入っています。
クリニック玄関南側の植栽帯です。
溶岩ドームに見立てた亀甲石(木曽石)の周りに噴石もしくは溶岩のように割栗石を広げています。
まぁ火山と雑木林なんてあんまりマッチしないですけど(自然界では全然ありえます)。
玄関横に大きな扇形の木曽石がお客様を迎えてくれます。
敷いてある砂利は浅間山の軽石です。
軽いので草が生えても抜き取りやすく、見た目も土っぽくて良い雰囲気です。
下に防草シートが敷いてあるので管理も極力楽になるようにしてあります。
植栽帯の中には砕いた木のクズが敷いてあり、これも防草対策となっています。
里山に行けば厚く堆積した落ち葉が同じような機能を果たしているので雑草が生えていないですよね。役割的にはそんな感じです。将来肥料にもなり体積も目減りするので、今後定期的に追加していく予定です。
北側の植栽帯です。
クリニック内側の窓から見た景色です。
お客様が待っている間、お庭を見ていられるようにと施主様自ら配慮をしてくださいました。
軽井沢の喫茶店みたいですね。
木曽石の景石を使用しましたが、見る人がそれぞれ想像力を働かせて見てもらえたら嬉しいです。
足元に植えた低木ですが、マホニアコンフューサやシルバードラゴンなどは施主様のご希望で、植えてみるとなるほど、雑木の庭が一味違う雰囲気になりました。
今回の工事において私自身、これまでで一番里山の風景に近いようなデザインができたと思っています。
里山の風景→雑木の庭
とは風景の寄せもありますが、大切なのは環境の再現だと考えています。
入れる土に関しても畑のような土は使わず、栄養の少ない山土を使用しています。
木を植えるところだけはバークなどをすき込みますが、基本土壌は栄養の少ない土です。
表面に木のクズを堆積させることで表面も山の中の環境に似せていますが、すぐになじむわけではありません。菌糸がのび、クズ同士が絡み合い、虫や菌類によって分解された有機物が土に帰るように少しずつ少しずつ山の環境に近づいていきます。
北側の道路との間に設置した石の土留も同じです。
コンクリートで固めるのではなく、石にすることで土の中に空気は入りますし、窒息することもありません。また、水も溜まることなく排水され、それと一緒に石のミネラル分も地中へと染み込み、植物の栄養となります。
クリニックの外構だからと見てくればかり気にしていては、人の生活を支え、生きることの助けとなる病院としての本懐を果たすことはできません。
クリニックを囲う環境も、植物や動物が生き生きとする場であれば通う人々の心をも癒す助けになるだろうと私は考えています。
今回このような工事をさせていただきましたかみじょうクリニック様には大変感謝しております。
ただお庭も外構も作って終わりではありません。これからが本番です。
クリニックに通う人々にとって理想的な環境になるよう、かみじょうクリニック様の元、これからも管理を頑張っていきたいと思います。
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