2020.02.25
お庭における土壌・水捌けの重要性
今回は前回も案内しましたお庭の土壌・水捌けについてお話しします。
まず良い土とはどのようなものなのでしょうか。
ちなみに、野菜にとっては
・適度な隙間があってふかふかしている
・phが適切で肥料持ちが良い
・多様な生物が生息してる
このように物理性、化学性、生物性の点で優れている条件の土が良しとされています。
これは植木においても同じです。
適度な隙間があってふかふかしているということは、隙間があることによって余分な水を地下へと浸透させつつその隙間に水分を保持できます。
また空気を含みやすいので根が呼吸でき、健全に根を張ることができます。
このような状態の土は団粒化しています。
土を団粒化させるには継続的に堆肥などの有機物を土に投入することが大切です。
有機物が微生物によって分解されて(腐食)できる物質が糊の役割をし、粘土や砂の粒子をくっつけることで団粒となります。
団粒化すれば土の内部は重層的な構造になり、保水性、排水性、通気性に優れた土となるわけです。
phに関しては、植物のほとんどは強酸性を嫌います。
土壌が強酸性の場合、根に悪影響を及ぼすからです。
ほとんどの植物にとっては弱酸性が良いと言われています。
肥料の持ち(保肥性)は説明すると複雑で、また、庭の場合は肥料を大量に使用する畑とは違いますので特に意識しなくていいと思います。
対して土壌内の生物の多様性は非常に重要です。
生物の中には有機物を分解して土の団粒化を促すもの、肥料を根が吸収しやすいように変換してくれる硝酸菌、空気中の窒素を固定し根に供給する根粒菌など役に立つ種類の生物がいます。
逆に根に感染して病気を引き起こすもの、根に寄生して成長を阻害する虫など植物に害をもたらす種もあります。
こうした生物はどんな場所にも存在していますが、生物の多様性が保たれていれば一部の種が極端に増えることもありません。
そのためにも団粒化は重要であり、空気を含む隙間には好気性の生物、隙間と隙間の間には嫌気性の生物が住めるため、生物の多様性も保たれます。
ここまでで良い土の条件を記述しました。
次に土のタイプを調べてみましょう。
まず注目すべきは
○有機物がどのくらい含まれているか
○団粒構造ができているか
です。有機物を多く含む土は真っ黒な色しています(もともと黒い土もあります)。
土の色に加え土の状態も確認します。
砂質であれば有機物由来の黒色ではありません。
一方、有機物が多く団粒構造ができている土は、ふかふかでやわらかく、指で強くはさむと粒がつぶれるのですぐわかります。
有機物が多く含まれていて、さらに団粒構造ができていれば不快なにおいはありません。
なお有機物を多く含む真っ黒な土でも、水があつまる場所や地下水位が高い場所では、過湿のため団粒構造ができていない場合があります。
こうした場所の土には独特のツヤがあり、かたくしまっていて土本来のもではない不快なにおいがすることがあります。
【参考:いちばんよくわかる土と肥料入門】
以上を踏まえた上でお庭の土を見てみましょう。
ご自宅のお庭の土は植物に適した土でしょうか?
適していない場合どうすれば良いのでしょうか?
最後は庭作りをする上での土の対処法を紹介します。
まず余りにも植物に適さない土の場合、
1.堆肥や肥料を使って土を改善する
2.土を交換する
の2つが考えられます。
現実的に考えて1の「堆肥や肥料を使って土を改善する」のは、ご自分で庭に草花を植えるような時に向いていると言えます。
植木の根鉢の厚さは、厚いもので1mを超えます。
この厚さを自力で耕すのは不可能ですので、やはりご自分で堆肥・肥料を使って耕す方法はガーデニング や家庭菜園向きです。
一方で土を交換すると言っても庭の土を根鉢の厚さ分だけ交換するというのも金額的に現実的ではありません。
ですので、そんな時は植木を植える鉢の周りだけ良い土を投入します。
また、表面の土だけ(深さ20cmほど)を良い土に交換したりもします。
これは自分で耕す手間を省くこともありますが、特に造成地ですと土に石が混じってたりと扱いにくく見た目も良くないことが多いからです。
また稀に、地下水位が高く、少し掘っただけで水が染み出してくる土地があります。
そのような場所では普通に木を植えても根腐れする可能性が高いので、高植え(土を少し高く盛り植える)をします。
以上のように、対処法はいくつかありますが、基本は土地の性質、土の状態を把握することが重要です。
植えた木が枯れてしまう。石ばかりで土が扱いにくい。粘土みたいor砂みたい。変な匂いがする。乾きにくくいつもジメジメしている等等。
もしお庭の植木や土でお困りの方がいらっしゃいましたら些細なことでもいいので是非ともご相談下さい。
【無料相談】
他、お庭のことでお困りの方もお待ちしております。
また、弊社は土を含めた庭作りに関しても力を入れております。
人というのは目に見える地上部だけに注意が行きがちですが、目に見えない地中もしっかりと気にする必要があります。
造成地ですと石が多く(これは仕方ないことですが)庭いじりに適さないことが多く、リフォーム後ですと瓦礫やゴミが地中から出てくることがあります。
理想的な庭作りをするためにも弊社ではしっかりと土の重要性をお客様と共に考えております。
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