2023.07.01
Dry Stone Walling 講習会 in 岡崎
みなさん、聞いたことありますか?
Dry Stone Walling.
ドライストーンウォーリング。
これは英国式石積みと言って、英国において何千年も前から受け継がれてきた石積み工法です。
英国ではこの石積みが農場や牧場を囲う石垣の形で今もなお(一部ではあるが)風景の一部として残っています。
今回私はこの石積みの工法を勉強するために愛知県岡崎市に行ってきました。
主催は日本支部の「Dry Stone Walling Japan」さんです。
講習会は1日半で、3〜4人1組になって一つの石積みを完成させる、というものでした。
場所と材料は理事長の欧州建材さんが用意してくださり、イギリス産の石材を使用しました。
最初はまず石をサイズや形、厚さごとにわかりやすいように分けて並べていきます。
これがかなり重要です。Dry stone walling の積み方は、厚いものから積んでいくので、作業する時に厚さごと分けられていないと大変です。
講習会では型枠というかガイドのようなものがあり、糸を張りながら石積みの断面が台形になるように積んでいきました。
使用した石は『コッツ』という石で、砂岩質でとても加工しやすく、普段花崗岩や安山岩を取り扱う私としてはとても加工しやすく、取り扱いもしやすかったです。
石を積んでいく中で特に重要なのが「ハーティング」という作業です。
「ハーティング」は積んだ石が動かないように隙間に丁寧に石のかけらを差し込んでいく作業で、今回のように両面積みの場合でも、真ん中の隙間を埋めるように、石のかけらを詰めていきました。
実際、これをやることで石積みに一体感が生まれ、とても安定感が増していました。
真ん中より上くらいに差し掛かると「スルーバンド」といって積む面の両面に達する大きめの石を設置します。
スルーバンドを入れることによってより崩れにくくなります。
さらに積んでいき、目的高さ付近まで来たら「カバーバンド」といって上に蓋をするように石を置いていきます。
これは両面が離れないようにすると共に、雨などの侵入を防ぎ、内側からの風化を遅らせる役割があります。
最後にてっぺんに「コーピング」といって石積みを固定するための石を縦向きに並べていきます。これは重しとしての役割以外に、動物が首や背中を石積みで掻いても崩れにくくするためと言われています。
これもただ並べるのではなく、両橋には安定感のある大きめの石を置き、それぞれの石もお細かな石を差し込んで動かないようにしていきます。
こうしてでき上がったのが次の写真になります。
慣れない3人で作った割には見事な仕上がりになりました。
小さな友情が生まれたのはここだけの話し。
講習では最後に3人で石積みの上に登り、崩れない頑丈さを証明して修了となりました。
今回のは初級者用の講習会でしたが、秋にまた上級者用の講習会があります。
残念ながら別の試験などで私は参加できませんが、来年は上級者向けの講習会に参加し、最終的にはイギリスで開かれるDSWA公認試験を受けにいきたいと思っています!
しかしながら現時点で施工を行うこともできますので、ご興味のある方はお気軽にご相談ください。
長野ではイギリスのコッツを使用してもいいですが、諏訪鉄平石や戸隠石などを用いても良いかもしれません。
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