土壌改善と地形造成による庭作り

2022.11.09

土壌改善と地形造成による庭作り

長野市Y様邸において、お庭の土壌改善と地形造成による庭作りをさせていただきました。

 

元々お庭は後々作る予定だったようで、最初に訪れた時は何もない状態でした。

土の状態を調べてみると表面から5cmほどは有機質の少ない山砂、それから10cmほどは庭土(有機質の入った土)、それより下に60cmほど砂礫土壌(埋め立てに使われたもの?)があり、その下に元々の粘土質な土がありました。

家を建てるのに使われた砂礫土壌は固く有機質に貧しく、水はけはあまり良くない感じで、庭に苔が生えはじめてるのも頷ける感じでした。

こんな状態でただ木や芝を植えても元気になりませんし、何より水捌けが悪くて住んでる人も気持ちよく使うことができません。

そこで、地形造成+土壌改善をして構造的、質的に水、空気の通りやすい環境にすることにしました。

 

 

 

まずは上の図のように穴を掘り、掘って出た土は穴の両サイドに積んでいきます。

土はただ積み重ねるのではなく、まず下地にいくつか縦穴(約60cm)を掘り、グリ石・瓦・ワラ・竹炭・くん炭で埋めていきます。

これは水の浸透を良くさせ、尚かつ有機物と炭を入れることで微生物が住みやすい環境にするためです。

将来ここに木の根を誘導させます。

そして掘った土は、落ち葉・竹炭・くん炭と層状に積み重ねていきます。

これが木を植えるマウンドになります。

下の写真は掘った穴の側面を崩れ積みした後の様子です。

穴はひし形にしてあります。

丸でないのはあえて角を作ることで谷要素を入れるためです。角になるところに杭を打って浸透の起点とし、谷の要素を持たせます。

上の写真は穴周辺の作為の説明になります。

穴周辺の壁は基本的に垂直にします。

上の写真にもあるように、斜めに切ると表面を水が流れて土も流れてしまいます。

地形を安定させ、通気浸透を良くするには垂直水平に段を切ることが重要になります。

穴の底は2段に掘り込んであります。

底が平らだと人の足で踏み固めてしまい、水はけが悪くなります。

そこで、もう一段掘り込んで、焼き杭を打ち、穴の周囲を石で守ります。

真ん中の石は接触した石に支えられているため底にはついておらず、浮いています。

この噛み合った石によって周りの石は横方向に圧力を受けます。よって鉛直方向(下方向)にかかる力を軽減することができて、底の土を圧迫しないようにしています。

 

木を植えた写真になります。

高木となるコナラ・クヌギを1本ずつマウンドに植え、あとは中高木になるイロハモミジやヤマボウシ、アオハダやクロモジを植えました。

中高木はみな弊社のポット苗になります。

穴の淵は丸太で階段を作りました。将来はこの丸太は朽ちますが、ここに木の根が誘導され、地形として安定していきます。

穴の入り口手前や、穴の底には舗地状に瓦片を差し、人の足による土への圧力緩和並びに通気浸透の起点となります。

 

植栽帯の表面は落ち葉・竹炭・くん炭を敷き、最後にワラを引きました。

ワラは落ち葉の飛散防止と土の団粒化に役立ちます。

 

こうやって見ると決して見た目にこだわり、キレイに作り込んだ庭には見えません。

しかし自然のような雰囲気も感じます。

大切なのは人にとって都合の良い環境を作るのではなく、多様な生物にとって都合の良い環境作りをすることです。

前者は時に様々な要因を排除し、シンプルな空間作りを行うこともあります。

しかしながら自然というのは共生が当たり前であり、共生によってバランスが保たれています。

悩みの種を排除するのもいいですが、環境のバランスも大切にしなければいけません。持続可能な環境にするならなおさらです。

 

持続可能な環境とは、少しの手間によって維持していける環境です。

例えば共生が成り立つ里山の自然環境では、環境自体が一つの生き物のように機能し、車輪の様に周りながら時を重ねていきます。

しかし人工芝のようなものを張れば持続可能性は断たれます。

維持管理しなくて楽ですが、時が経てば人工芝はゴミになり、人工芝の敷いてあったところは生き物の多様性に乏しい貧しい土になっていきます。

人が自然に触れ癒されるように、多くの生き物にとって都合の良い環境は周り回って人にとって都合の良い環境になっていきます。

 

今回のお庭の植栽も、高木となるクヌギ・コナラ、中高木となるモミジやヤマボウシ、クロモジなどを植えました。

が、植栽に関するお話しはまたいずれ。

 

お庭も一つの環境。

住まいの環境です。

家の中だけでなく、外もまた住まいの環境として整備するのはいかがでしょうか。

 

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