サクラとせん孔褐斑病(せんこうかっぱんびょう)

2021.09.01

サクラとせん孔褐斑病(せんこうかっぱんびょう)

今回はサクラの病気について一つ紹介します。

「せん孔褐斑病」

せんこうかっぱんびょう、と呼びます。この病害は7月から10月の間に雨天が続くと、葉及び幼梢に発生したりします。

病害の原因は特定の菌類によるもので、感染した葉には病斑が生じます。

病斑は円形で1.5~2mmになり、淡赤褐色を帯びた後、病斑部は脱落してせん孔します。

 

下の写真は、菌が繁殖した病斑部が脱落して穴が開いた状態のサクラの葉になります。

今年(2021年)の場合は、長野県ではお盆の時期に連続して雨が降りました。

その後、気温が30度を超える日が続いたため、当写真(既存のお客様)のサクラだけでなく、弊社の在庫であるシダレザクラにも同じ症状が現れました。

 

一見虫に食害されたように見えますが、菌類による病害です。

サクラ全体に広がる恐れがあり、上写真のように深刻な場合には樹木全体に渡って症状が現れます。

病害に侵された葉は落葉し、菌類は葉の中で越冬し、次の年の一次感染源となります。

翌年に落葉内で越冬した菌類は雨滴で葉から離脱し、風によって葉や芽に到達後、発芽し感染します。

 

それゆえ、対処法においては

・病害に感染し、せん孔の見られる葉は剪定し、集めて焼却する

という処方が進められています。

 

とは言え今回のように樹木全体に広がってしまった(激発)場合はすべての葉を除去することなど困難です。

その場合は以下の薬剤いずれかを使用し消毒を行います。

・銅水和剤の500倍液

・トップジンM水和剤の1000~1500倍液

症状がみられる場合、月に1~2回散布します。

 

今回のサクラ類に発生するせん孔褐斑病の菌類は、基本的にはサクラ類の間で病害を発生させる菌類であるため、

他の植木に移ることはありません。ただ、今年のような気象状況によっては他の樹木(モモ、ウメ、オウトウ)において似たような病害が発生する場合もあります。

そんな場合には上記で紹介した薬剤が使用できます。

なお、当病害に地域性はなく、日本全国的に見られる一般的な病害と言えます。

 

葉の一部が茶色くなり、「あれ?おかしいな?」と思ったときは今回紹介した病気のことを思い出してください。

また今回の病気に限らず、樹木における病害虫の対処法については以下の本に記載されています。

【樹木別で分かる病害虫全科】

欲しい方はAmazonのリンクを以下に貼りますので、ご参考にしてください。

【amazon 樹木別で分かる病害虫全科】

 

なお、今回の記事を書くにあたって以下の論文を参考にさせて頂きました。

【我が国に発生するサクラ類穿孔性病害に関与する菌類の病因学的研究】

著者:本橋慶一、他

ご興味のある方は読んでみてください。

 

なお、今回紹介しました病害で困っている方は下記の相談フォームからお気軽にご相談ください。

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