2017.07.21
除草剤と松枯れ
たまにですが、庭に除草剤を撒いたらマツが枯れてしまった
という相談を受けます。
このケースで枯れかかったマツが復活したというケースは殆どありません。
撒かれた除草剤も種類が違うので、ある特定の除草剤に弱いということでもなさそうです。
例えばですと、商品名を挙げるのは怖いので“R”としますが、
インターネットの情報ですと、
・庭木に大丈夫
・マツ林の雑草除去に使用したが、マツは一本も枯れなかった
と肯定的な意見があると思いきや反面、
「除草剤を撒いたらマツ(他、様々な庭木)が枯れてしまった。どうすればよいでしょう?」
という相談事が結構見られます。
結局枯れる事案がある以上マツの付近に撒くのはお勧めできません。
使用するのであれば根っこから枝張り(樹木の四方面に伸長した枝の幅)半径の4~5倍程度と、木から十分離して撒いてください。
ついでに除草剤の成分や効能のメカニズムについて載せておきます。
除草剤は私の独断と偏見により選抜しました。
表.除草剤の種類と成分、その効能
1.EPSPS阻害
要は植物内でのタンパク質合成を阻害します。
タンパク質とは生物の体を構成する物質です。人間で言うと筋肉とか。植物だと葉緑体とかホルモンとかですかね。
しかし、タンパク質が合成できないことが植物の死にどう直結しているのでしょうか?
ホルモンが作れず、生体内の指令がうまく出せずに、機能不全になるようなイメージなのでしょうか?
または葉緑体が作れないとか細胞に必要な材料が作れないとかでしょうか?
いずれにしても筆者はまだまだ勉強がたりません。
この手の剤は土壌中の微生物によって速やかに分解されるので、土中には残りにくいらしいです。
参考:コトバンク
ちなみにラウンドアップは1970年にアメリカのモンサント社が開発したものですが、
モンサント社はベトナム戦争で使用された枯葉剤を開発した会社でもあります。
遺伝子組み換え作物の種では世界シェアが90%もあるらしいです。すごいです。
2.グルタミン合成酵素阻害
ざっくり言うと植物の光合成を停止させちゃいます。
光合成ができないのでエネルギーを作れず死に至る、イメージかと…
厳密に言うと少し違うんでしょうけど、参考の方に書いてありますのでよろしくお願いします。
参考:コトバンク
3.細胞壁合成阻害
植物の細胞壁は主にセルロースでできていますが、そのセルロースの生成を阻害します。
なのでそれ以上細胞が作れず、成長がストップするイメージ?
一年生の雑草の根や幼芽部の生育を抑制するみたいです。
参考;コトバンク(セルロース合成阻害)
除草剤にも種類はありますが、その中でも作用機構の異なるものがあります。
こういった違いは用途も変わる場合がありますので、それぞれに適した剤を調べて使用することが重要かと思います。
それでも通常に雑草を除去するのであればグリホサート系の剤で大丈夫かと思います。
ただ、庭木が近くにある場合は十分気を付けて使用してください!
マツに限らず他の木でも枯れてしまう可能性はありますので、幹から少し離して使用してもらうようにお願いします。
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