2018.06.29
谷川岳
今月も少しブログをさぼり気味です。
まずいですね。
7月は試験を控えていますが、頑張って更新していきます!
というわけで、先日新潟県と群馬県にまたがる谷川岳に行ってまいりました。
トマの耳(1963m)、オキの耳(1977m)という二つのピークを擁し、別名「死の山」ともいわれる山です。
「死の山」と言われる所以は後程記述するとして、私は簡単な一般ルートから登りました。
登り口は群馬県側で、ロープウェイで1300mくらいまで登り、上にあるスキー場から登山開始となります。
登り始めは下の写真のように谷川岳の山頂らしき尖りを見ることができます。
序盤は林の中なので体力はそれほど削られません。
【谷川岳、登り始めより】
植生はナナカマドとシャクナゲの多いこと!
こんなに多くのナナカマドとシャクナゲのある山を長野県では見たことがありません。
他にもブナやツツジ、マンサク等の広葉樹が主であり、針葉樹がほとんどなく、長野県との違いにびっくりしました。
また、ロープウェイまでにたどり着く道中でも、材用にまとまって植栽された針葉樹の林を見かけることもなく、
そこに関しても長野県との山の使い方に差違を感じました。
【谷川岳、中腹からの眺め】
中盤まで行きますと徐々に背の高い木は減り、代わりに谷川山系の他の頂が見えるようになってきました。
しかしながらよく考えればまだ1500mくらいなのになぜ背の高い木が生えていないのか…
と不思議に思い調べたところ、谷川岳の森林限界は1500m付近なのだそう。
標高は低いですが、日本海から吹く風と太平洋から吹く風がこの山の頂上でぶつかることで、
大変不安定で激しい気候になるのだそう。
特にそれは冬に顕著に現れ、大変多くの降雪をもたらします。
現にオキの耳の北に位置する一ノ倉には氷河で削られた地形があり、低山でありながら大変厳しい環境であったことがうかがえます。
気象が激しいことからも他の山と違って森林限界が低く、高山植物を見ることができるという珍しい環境なんですね。
そして上をみると笹の原。
【谷川岳、森林限界を迎え笹の原へ】
上の写真のように森林限界以上は笹が広がり、他にシャクナゲやツツジ等が見られるようになります。
【谷川岳、降雪の多さを物語る】
この時期だというのに雪が残っています。
長野県でこの標高ですと、北斜面でもない限り雪など融けてありません。
上の写真、南斜面ですからね。どんだけ雪が多いのか…
【トマの耳】
こちらはトマの耳からの眺め。
山頂は少しだけスペースがあり、お昼休憩くらいは取れます。
が、風が強かった。
【トマの耳より、オキの耳を望む】
トマの耳からはオキの耳が見えますが、一ノ倉岳がどこなのかはよくわからず。
トマの耳までが約2時間半。
トマの耳~オキの耳が15分ほど。
これまでの道中で危ないようなところはなく、「死の山」感は特に感じられません。
というのも、「死の山」などと呼ばれているのは先ほど述べました、
一ノ倉の氷河地形の一部である、岩壁を登るルートでの死者が多いからなんです。
この岩壁は剱岳・穂高岳と合わせて日本三大岩場にも数えられるほど難しい岩場で、
まさにロッククライマーの聖地と言ったところでしょうか。
滑落・遭難等による死者は記録を始めた1931年~2013年までで805名であり、
8000m峰14座(エベレスト、K2、カンチェンジュンガ、ローツエ、マカル―、チョ・オユー、
ダウラギリ、マナスル、ナンガ・パルバット、アンナプルナ、ガッシャ―ブルムⅠ峰、
ブロードピーク、ガッシャ―ブルムⅡ峰、シシャパンマ)での死者の合計が637名であることからも、
谷川岳に「死の山」たる名が冠する理由も納得できます。
ちなみに谷川岳は犠牲者数で世界ワースト1位であり、ギネスブックにも認定されています。
以上が谷川岳が「死の山」と言われる理由でした。
普通の一般道を通っていれば、良い山だな、で終わるところなのに、
そんな怖い一面を持っているなど知りませんでした。
正直私は、長野県の山との植生の違いの方が驚きましたが。
最後に、オキの耳からは1時間45分ほどで下ってきてしまいました。
しかし、登山客が多いのと、岩の性質もあると思いますが、1500m~頂上までの道は
岩が露出していて、滑ること滑ること。正直濡れていれば必ず滑ります。
登山道の道底に岩が露出していて、登山者の靴底で削られ磨かれ、黒光りしています。
下りは気を付けていても滑ります。絶対に5回は滑ります。
谷川岳を登られた方は、是非とも下りは登りの5倍気を付けて頂き、
怪我なく、楽しい登山をしていただければと思います。
谷川岳、サイコー!!
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