2017.11.01
紅葉の仕組み
秋も終わりに近づき、冬の兆しが山々に現れ始めました。
紅葉も里山から徐々に盆地へと降りてきたかと思えば、
善光寺平の西に垣間見える北アルプスや飯縄、戸隠、黒姫には雪が降りました。
長野の秋は短いと、秋が来るたびに感じます。
さて、弊社敷地内の庭木や展示場の植木たちも紅葉してきました。
そろそろ植木の移動もできるシーズンになってきましたね。
【赤く紅葉したハナミズキ】
そもそも、なぜ一部の植物は紅葉をするのでしょうか?
っというわけで、今回は私の疑問を解決するべく、このブログでその仕組についてお話ししたいと思います。
まず、紅葉を説明するには私たちが普段見ている緑色の葉っぱから説明しなければいけません。
なぜ普段葉っぱが緑色に見えるかと言いますと、葉っぱ内に多くあるクロロフィルという物質が緑色の光だけ反射してしまうからです。
クロロフィルは、光合成を行う“葉緑体”という葉っぱ内の小器官にある「光吸収係」の物質です。
緑色だけ反射してしまう理由はわかりません。多分嫌いなんでしょう。緑色が
普段光合成はぽかぽか陽気くらいじゃないとちゃんとできないらしいです。
なので気温が低くなり、日照時間も少なくなる秋になると光合成もペースダウン。
通常、分解と生産を繰り返すクロロフィルはこれを機に生産をストップしちゃうんで、緑色がなくなっていくわけですね。
じゃ、紅葉の黄色や赤色はどこから来るんじゃい、と言いますと、
まず、黄色の方説明します。
植物は、元から葉っぱ内にカロテノイドとかいう物質を含んでいます。
カロテノイドは黄色です(カロテノイドは黄色だけじゃありません。興味があったら調べてください)。
そして、先にクロロフィルが消えていくため、黄色に見えるというわけです。
【黄色く紅葉するモミジ】
私はこのカロテノイドが何のために存在し、なぜクロロフィルよりなくなりにくいのか気になったので説明します。
通常植物内のカロテノイドは、クロロフィル同様光合成の光吸収係を担いつつ、葉っぱ内で生成される活性酸素を除去する役割を担っています。
すなわち抗酸化作用があるということです。抗酸化作用のある物質は分解されにくいので、クロロフィルより酸化や紫外線などによる分解に耐えます。
よって結果的にカロテノイドよりもクロロフィルが先になくなるため、紅葉時に黄色に見える。と、言うことです。
さて、黄色の葉っぱの話は終わりますので、次は赤色になる葉の解説をしたいと思います。
赤く紅葉する植物と言えば、イロハモミジやドウダンツツジ、ナナカマドなどでしょうか。
こういった植物は気温が低くなる秋ごろに、葉と枝の間に「離層」と呼ばれるコルク状のものを作ります。
この離層は栓のように養分の移動をできなくさせてしまうので、葉っぱの中には光合成によって生成された糖分が溜まっていきます。
この糖分と葉っぱ内になるタンパク質が紫外線によって化学反応を起こし、結果アントシアニンという物質ができます。
アントシアニンは赤色の色素を持つので赤く見える。ということです。
ちなみにアントシアニンは抗酸化作用のある物質で、目に良いらしいです。
なので老眼や眼精疲労などに良く、ブルーベリーやナスなどに多く含まれるみたいです。
ナスは皮に含まれているんで、皮剥いて食べたら意味ありませんからね。
最近の家事情ですと、若い方はあまりお庭の方に予算を振らない傾向が多いみたいです。
家とカーポートのみというところも多いですよね。
それぞれ事情がありますので何とも言えませんが、紅葉をする木なんかあると季節の移ろいを感じられて良いですよね。
春には花を咲かし、夏には青く茂り日の光を和らげてくれます。
秋には実をつけ、紅葉し、冬には寂しくも哀愁ある姿を魅せてくれます。
常緑も常緑でおつなもんです。
私なんかもまだ二十代なので、時の流れに気を止めることもなく、季節の移ろいに気付かないことも多々。
つまり心に余裕がないのです。身の回りの些細なものに美を見出すことなど…
しかししかし、私にもできることはありますのでね。木々の良さなんかを若い人にも伝えられれば良いなぁと、思っています(笑)
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