2017.08.03
モミとツガカレハ(※幼虫の写真あり。耐性のない方は閲覧をご遠慮ください。
先日、長野市某所のお客様のお庭にて剪定をさせて頂いたのですが、
その木の中にモミがありました。
モミは前任の方(一昨年まで入っていた別の業者様)の剪定によって釣鐘型の樹形に仕立ててありました。
今回またもやBeforeの写真を撮り忘れたので下の図を参考に。
【樹形図:釣鐘型】
上の方の写真だけあったので載せます。
【モミの上部】
モミやコメツガ、ヒマラヤスギなどは釣鐘型のような幾何形に仕立てると、
幹側に空間が生まれ、風通しも悪くなることから毛虫などが発生しやすくなります。
今回は毛虫による食害を避けるために、やむなく幾何形を崩すこととなりました。
まず第一段階として、釣鐘型だった樹形を、層状になるように、
枝を幹から切断していきます。
【モミの剪定写真】
上の写真でわかりますでしょうか?
理想は自然系の樹形に仕立てたいのですが、いきなり仕立てることもできないので、
今年は写真のように、層状に剪定を行っていきました。
すると、案の定姿を現しました。
【謎の幼虫A】
彼の名は“ツガカレハ”
らしい。調べたらマツカレハというのもいて、互いに判別が難しいそう。
頭が灰褐色なのがツガ~
茶褐色なのがマツ~
らしいが、素人目にはわかりません。
以下、ツガカレハと仮定し話を進めます。
ツガカレハはトドマツ・モミなどのモミ属、エゾマツ・トウヒなどのトウヒ属などの針葉樹に発生する昆虫です。
卵は針葉上に産み付けられ、1~2週間で孵化。
幼虫は針葉を食べ成長し、秋の終わりに落葉などの間や根株の隙間等に潜んで越冬します。
翌春、融雪後に樹上に登り、針葉を食べます。
成虫の羽化時期は6~7月、8~9月。
羽化後すぐに交尾・産卵をします。
(参考:http://www.fri.hro.or.jp/zukan/konchu/00data/cho-ga/karehaga/tugakare/note.html)
幼虫の毛には毒があり、触れると炎症を起こす場合があります。
私の場合は摘まんで掌に乗せたわけではなく、
彼の方からヨジヨジしてきたので刺されずに済みました。
皆さん、見つけても素手で触れないように。
この虫は一匹いると複数いるらしいので、剪定を進めていくとやはり…
【ツガカレハB,C,D,E,F】
予想よりはだいぶ少なかったですが、それでも十匹以上はいました。
これだけでかいと、剪定中に目の前に現れるとビビります。
特に木の上部に密生していました。
捕獲した連中は屋根の上に避難。
しばらくしたらみんなどこかへ連れ去られていきました。
鳥はこの手の虫を食べて口内かぶれないのでしょうか?
今回は消毒もせずに済みましたが、最悪の場合は食害によって木がダメージを負うこともあります。
かと言って必ず消毒しろってわけでもないですし、残らず退治してしまうのもどうかとも思います(北海道では有名な害虫らしいですが)。
消毒してしまうと益虫も含めて死んでしまいますから。
結びとしては、モミはこの虫が付きやすいので
あまり刈り込みのみに頼った人工樹形はお勧めできません。
できれば自然形か、今回のように風通しの良いような形をお勧めします。
仮に出てしまった場合は、消毒を行えばすぐに退治できますのでご心配なく。
ご自宅にモミがある方は暇なときに覗いてみてください。
もしかしたら彼らがいるかもしれません。
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